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書く話 by静寂はる

 

 春の静寂です。    先日ですね、この週の部員ブログに『週刊文鳥』という名前がつけられました。今までのものにもタグが追加されましたね。これからはこの定期のもの以外にもブログを更新していくと思われますのでお楽しみに。  春が本格的にやってきました。桜も咲き始めたようです。暖かさが安定してくる頃になったら桜並木を歩いて花見をしたいですね。  私にとって春は喜びの季節なので、現在私はとてもはしゃいでいます。花粉症の友人が温かい目で見てくれることが本当にありがたい限りです。    さて、本題に入りましょうかね。今回も自分自身のお話をさせてください。私が物語を書くということに対して考えていることについてです。  私が今のようにちゃんと人に見せる作品として物語を書くようになったのは、実は高校からなんです。それまでは思いついたアイデアをメモにつらつらと書き出したりするぐらいのものでした。挑戦した一つの短編ですら完結しませんでした。内容にしてもそのときの状況をそのまま言葉にしていたようなものだったので、ほぼ感情整理でしたね。その点に関しては今も変わりはないのかもしれませんが。    私の書く話には大抵の場合、人間が出てきます。というのもわたくし日常に潜む、人の温情というものがたまらなく好きなんですよ。冷静さが求められる日々の中に垣間見える優しさというか、凍てついた野原の真ん中に置かれた炬燵というか。そのため、現在の社会では空想でしか描くことのできない設定や物体などをよく登場させてしまいます。行くことのできない場所が舞台となっているのもその所以です。    それと話に登場する人々ですが、それぞれの人にそれぞれの抱えている背景が必ずあります。どうしてそのような思想に至ったのか、どうしてその行動をしているのかなど。直接の文として書くことは少ないですが、話を書いているときは頭の中で人物の生きてきた過程の情報を刻み込ませております。    人の考えって、本当に自由なのだなと最近考えています。ある程度の傾向をデータとして使う機会もありますが、それらに収まりきらないほどに思考は多様です。文章というものは言葉の連続をまとめることで作られます。意味があって作られた言葉が、さらに連続的に反応し合うことで前例のないものを現実とするため、作品は一つとして同じ物がないんです。

 この自由さは様々なことにも応用でき、その一つの方法としてメッセージに変えることが挙げられます。相手に何か伝えたいことがあったとき、人の不器用な部分が作用してしまうことで伝えきれないこともあると思います。そこで、白紙と向き合って文字綴ると、自分でも分からなかった心情だったりに気づくことは、皆さんの中にも経験があるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。間接的なものに頼ることで以前よりも豊かな関係になることもあると思っています。その点で、物語というものは優しいのです。    ここからは余談となりますが、自分が物語を書くときの性格について話したいと思います。    

 私は一つの作品を仕上げることにとても時間がかかります。一度書き上げても、その後に何度も振り返って書き直しているのです。一息で完成させたいのですが、書いている途中に良い表現が思いつかなかったり、矛盾点が出てきてしまうのでどうしても書き直したい欲が生まれてしまいます。ネタを思いついた勢いで書き始めるも、途中で消耗してしまって書く手が止まることの繰り返しです。  そうしたことを解決するための一つとして、私はある時、体力をつけることを思いつきました。なけなしの筋トレを始め、通学時には有酸素運動を意識しました。  そうして何週間かが経つうち、少しづつ変化が起こり始めたのです。変化のうちの身体的なものとしては声が大きくなる、疲労感の軽減がありました。精神的なものは特にありませんでした。加えて、嬉しいことに創作に変化があったのです。そう、文を書くスピードが僅かに上がりました。血流がよくなったお陰で物事を一度に考えることが可能になったんですね。  そして鍛えることの内、私が大事なのではないかと考えたのは呼吸です。肺活量とも比例しているとは思いますが、呼吸を大きくしていない時間が長くなると、頭が働きません。危険信号は発せられませんが、考えが停止します。酸素は大事です。本当に。毎朝ジョギングをしている小説家さんもいるようですし、呼吸を鍛えることは生きる持続力を鍛えることにも繋がるのだと思います。  ここまで話していると、運動は絶対大事!と言いたいのかと思われるかもしれません。ですが私は創作をする場合に、必ずしも運動が良い効果を生むとは考えておりません。それは、その良い効果というものがどういうものなのかがが創作においては決められていないということが関係しています。生活の中に微塵ほどの行動を取り入れただけの私が偉そうに言えることでもないのですが、体のどこかを鍛える前と後では物事に対する視点や価値観が僅かに変わるんです。ここからは感性のお話にはなりますが、人は生きていると必ず感覚というものを働かせています。なので、体調が優れないときでも、絶好調であるときも、どのタイミングでも感じていることはなにかしらあるはずです。そのため、先程の本題とも繋がりますが、ものを作り出すことに影響する人の考えは統一できるものではありません。まあ、考えに答えを作ってしまったら本当につまらない世になるとは思います。私は、絶対という言葉を使うことを躊躇することが多いのですが、感性というテーマにおいてはこの意見を強めに主張してしまいます。    


 余談のほうが長くなりましたね…。感想をたらたら語っているだけなのでそうもなりますよ…。  これからもゆらゆらと書き続けていきたいです。思えばこのホームページにはまだ三つしか公開していないので、近いうちに新しいものを上げたいな…と…。書いていた長編も行き詰まっているので雲行きは怪しいです…。        今回ご紹介する作品は『押絵と旅する男』という江戸川乱歩著の短編小説です。あらすじなどの詳しいことは特に書きません。漠然とした綺麗なものに包まれるような、素敵なお話です。光文社文庫などから本が出ています。ぜひぜひぜひ。  それとですね、この本の紹介コーナーですが、これからは時々お休みするかもしれないです。というのも、毎度本の選別に少し時間をかけてしまうんです。これはみんなに読んでもらいたいというものがあっても、表現が過激であったりすることもあるので。本を紹介するとなるとその対象となる人によっても基準を変えるので、加減が難しいんですよね。そのため、これからは割と控えめにいきたいと思っております。ご了承を。    それでは、また。次回は四月にお会いしましょう。  バイバイ👋    

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