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ひとまわり遠い空 by小弛乖

  • 2022年4月2日
  • 読了時間: 3分

サルートン!山三つ越えた先の小弛です。

あくまでリアルの山であって、概念としての山はホットスポットも噴火するほどのペースで造山されております。そのうち地層の藻屑になってしまうかもしれない。


そんなわけで本日県を跨いで散歩に行きました。山と言っても幼い頃に駆け回った記憶があるくらいの険しくもないものでして、やっぱり散歩というのが適当だったりします。

片田舎と言うと聞こえは悪いのですけれど、庭に山桜やら紅梅やら桃やらの聳えている景色は見ものです。今は少し手持ち無沙汰な道沿いの木々も季節の巡りと共に檜舞台に立つのだと思います。他にも二両編成のがたごと揺れる電車と無人駅の小さな図書館といったものも日常の行動範囲ではお目にかかれないので、のろのろと一日中町と山を遊歩していました。


このまま素敵な田舎のレビューを続けていてもいいのですが、今回の散歩には唯一の目的があったのでそちらのお話でもしようと思います。

簡潔に言うと、バチバチに人生を狂わされた話です。

実は十二年前にも同じように山を登っていて、今回それと同じルートで歩いてみたわけです。で、今回登った山のひとつにプラネタリウムを携えた山があって、そこで幼少期の自分は行く先の分岐器のレバーをがこんと押されてしまいました。

と言うのも本来見たかった演目の時間はゆうに過ぎてしまっていて、やむを得ず午後の上演を見ることになり、文学作品を映像化したもののプラネタリウム版に出会ってしまったのです。


おそらく当時の技術としては高度なCGと、優美な色彩と音楽は幼心を殴り付けるには十分だったのでしょう、下山して街に出てすぐその作品の書籍を親にねだっていました。そしてその日のうちに全て読んでしまいました。普段山登りなんてしたら帰りには充電切れを起こしてしまうのに。

それから合理性より興味と衝動を優先してしまう存在になってしまったわけです。


山登りの疲労でランナーズハイというか、精神がすれすれの状態で見たからそこまで強い感動を起こしたという自説もあったのですが、あれから十二年、当時の魅力は変わらずそこにありました。

見事その説は今日をもって打ち砕かれたということです。無念。

そうしてプラネタリウムに人生を狂わされた人間は非合理のレールの上をただ今のろのろと進行中でございます。時に脱線やら逆走を繰り返す日々ですが、まあ後悔はないのでヨシ!多分……

なんとか十二年前の自分に胸を張って会いに行けました。それよりも十二年間も同じ演目を上映し続けているプラネタリウムに感謝です。


今は十二年前よりひとまわり以上大きい山を目の前にしているわけですが、今までに迂回したり越えたり掘り進めた山の跡に後悔はないのできっとそういう人生なんだと思います。それよりも大きかったり険しい山にぶち当たったときは、またこのプラネタリウムで過去と時間を共有して線路を開拓して行こうと思います。

というかその前にプラネタリウムが無くなってしまわないか怖い。今回の客二人だけだったけども、どうかこの先未来永劫この作品を映し続けてくれ。頼む……!

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