梅雨冷えが肌寒い季節ですが、皆さんお変わりありませんでしょうか。このそぞろ日記を日々読まれている方は、この様なペンネームの執筆者は居たかと疑問に思っているに違いありません。それもそのはず。私はこの度文芸部に新しく入部し今回初めてこの執筆を任せられた新参者であるからであります。どうぞ皆様これからよろしくお願い致します。
早速本題ですが、これから数回にあたり私は幾つかの古典作品について、紹介していくつもりであり、記念すべき第一回は雨月物語について話していきたい所存です。それにあたり先人達のこの日記を参考にし、書かせて頂くのですが至らなぬ点も多々あると思いますが、お楽しみ頂けると幸いです。
まず雨月物語について知らない方の為に概要を述べさせて頂きます。雨月物語とは江戸時代後期に上田秋成によって書かれた短篇小説ほどの長さの9つの物語で構成されたこの古典物語集の中であり、生き霊や獣の化身などが登場人物たちに奇々怪々な災いをもたらす所謂、怪談小説であります。有名な話だと吉備津の釜という女の憎悪がテーマとなった作品があり、磯良という名前を聞けば話を思い出す人も多いでしょう。
ではなぜこの作品が現代にまで残る不朽の名作として魅力を出し続けてるのか。自論ではあるが、やはり理由の一つとして現代でも通じるものがあるからというのはあると思います。この作品全体としては膨らみ続ける人間の欲望に対する戒めや、身の丈にあった生活を維持し続けることの難しさと幸せなどが根底の内容であり、聞いてわかる通り昔に書かれた作品に関わらず現在にも通じていることが明白です。つまりこの作品はいつの世にも変わらない人間の本質を上手く見抜き表現したものであり、だからこそ全時代、全地域の人間に共感されて今に残っているということです。これは古典作品全般に言えることであり、今の世の一時期に栄えてはすぐに衰退していく正に栄枯盛衰を繰り返す書籍ではなくまず先にこういった不朽の名作を見るべきと私が推す理由でもあります。
長くはなりましたが皆様是非この不朽の名作である雨月物語及び、他の古典作品などを読んでみてください。
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