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おすすめの本10選! Byナトリウム

更新日:3月22日

こんにちは、ナトリウムです。春休みなのでね、おすすめの本でも紹介したいと思います。暇な時や、読む本に困った時に目を通していただけると幸いです。難易度は文章の読みやすさを考慮して、適当に考えてつけてます。この日記自体は難易度4/10ぐらいですかね。ご参考までに。


1. 『十角館の殺人』 綾辻行人 難易度5/10

ジャンル:ミステリー ホラー(?)

 日本のミステリーの新時代を切り開いた作品。最近ドラマ化が決まって少し話題になっていました。私がミステリー小説を好きになったきっかけとなる作品です。

エラリー・クイーンの『そして誰もいなくなった』を事前に読んでおくと、面白さが増すでしょう。漫画化もしているので、そこから始めてみてはいかがでしょうか?



2.『殺戮にいたる病』 我孫子武丸 

難易度5/10

ジャンル:ミステリー ホラー

 猟奇殺人を、追う者側の視点とその犯人の視点から成る物語。(ネタバレになるかもしれないので、あまりこういう事は言いたくないのですが、)最後に発覚する衝撃の真実と、それを作り上げた作者の技量に舌を巻くこと間違いなし!!

 それは勿論のこと、サイコ・キラーから溢れ出る狂気には、ひたすらに圧倒されます。「一度読んだら再読せずにはいられない!」そんな作品です。

※注意※

 残酷なシーンが苦手な方は読むのをお控えください。特に女性にとってはかなり辛いシーンがあります。ここまで紹介しておいて難ですが、読む際は自己責任でお願いします。



3.『方舟』夕木春央 難易度4/10

ジャンル:ミステリー

 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。

そんな矢先に殺人が起こった。

だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。


 読むだけでワクワクするような紹介文ですね。前者2つとは違い、最近発表された小説。探偵役の鋭い推理と、後味の悪さが特徴的。最近の小説にありがちなラストに頼ったものではなく、途中途中の流れもしっかりと作り込まれています。文章が比較的読みやすいので、あまり本を読み慣れていない人にもおすすめ。



4.『いけない』 道尾秀介 難易度4/10

ジャンル:ミステリー 推理

「①まずは各章の物語をお楽しみください。②各章の最終ページには、ある写真が挿入されています。③それぞれの『隠れた真相』を発見していただければ幸いです。」

 紹介文にこう書かれている通り、読者参加型の推理小説。写真と文章を何回も行き来すると、次第にその不一致が見えてくる筈です。探偵になった気分で推理が楽しめます。



5.『STONER(ストーナー)』 ジョン・ウィリアムズ

難易度7/10

ジャンル:文学

 勿論、ミステリー小説以外も紹介します。こちら、文学を愛する人には絶対に読んで欲しい作品です。この小説の概要を話すのは簡単でしょう、「ひとりの男が大学に進んで教師になる話」これで終わりです。たったそれだけのお話です。特に面白い展開や、衝撃の結末なんかはありません。しかし、その密度が尋常じゃない程に濃い。長編小説を読んだ時に発生する、本の存在感が自信になだれ込んでくる感覚、これをたった1冊で感じさせてきます。文学の力というのを、再認識させられました。

また、表現が非常に美しいことでも有名で、作者の技量は勿論、訳者の技量にも感心せざるを得ません。美しくも虚しい、そんなお話でした。この話を読んで何を感じるか、それはその人の人生観に大きく左右されるのではないでしょうか。なので私は、歳をとったらもう一度この本を読もうと決めています。もし作品を読んだのなら是非、感想を聞かせて欲しいです。難易度は高めです。

ただ、受験生にはあまりおすすめできないかもしれません…。人によっては魂を抜かれます。もしこの作品を読んでも、決して無気力にならないで下さい。



6.星新一のショートショート小説全般 

難易度3/10

ジャンル:色々

 本をあまり読まない方でも読みやすい本。幾つもの小さなお話に目を通す内に、活字を読むことにあまり抵抗がなくなる筈です。寝る前や、移動中、勉強の合間など、空いた時間に少し読みましょう。退屈な時間に新たな彩りをもたらしてくれます。

但し、夢中になり過ぎには要注意。



7.『センセイの鞄』 川上弘美 難易度5/10

ジャンル:日常 恋愛

 唯一印象に残っている恋愛小説。

高校時代の恩師(センセイ)と10年ぶりに再開した主人公の女性(ツキコさん)の話。年の差なんと、30歳以上。どちらとも歳を取っているので、彼女らは非常に穏やかな時を共に過ごします。これを恋愛小説だなんて呼び方をしてもいいのか少し不安です。2人の会話は常にテンポがよくて、暖かい雰囲気に浸ることができます。私は全然そんな事は無かったのですが、母親はこの小説を読んで号泣したらしいです。この違いは性差か、年の差か……まあ、おそらく後者でしょうね。



8.『怪物はささやく』 パトリック・ネス 4/10

ジャンル:ヤングアダルトフィクション

ある夜、怪物が少年とその母親の住む家に現われた―それはイチイの木の姿をしていた。「わたしが三つの物語を語り終えたら、今度はおまえが四つめの物語をわたしに話すのだ。おまえはかならず話す....そのためにこのわたしを呼んだのだから」...…

 読みやすい文章でありながら、美しい世界観と、しっかりとしたメッセージを伝えてくれる小説。初めは意味がわからず、怪物の話す物語に耳を傾けることしか出来ないが、次第に話の焦点が少年へと向けられ、『悲しい』や『寂しい』などの言葉では表せない、非常に繊細で複雑な感情を私達にもたらします。教室で読んで、泣きそうになったのはいい思い出。怪物の話す物語一つ一つも非常に上質で、興味深いものとなっています。

パトリック・ネスさんの作品は他にもあって、どれも世界観が独特で面白いので、是非読んでみてください!



9.『数学する身体』 森田真生 8/10

ジャンル:人文 思想

「国語は好きだけど、数学は苦手!」

↑こんな人に是非読んでもらいたい本です。

 日本の数学者、岡潔を柱とし、『数学をするということ』にせまった本。天才のアラン・チューリングがかませ犬のように扱われているのが、若干気に食わない所ではありますが、数学という『世界』を語る点においては間違いなく名著と言えるでしょう。非常に興味深い本です。哲学にも繋がる所があるかも?



10.『白夜行』 東野圭吾 難易度5/10

ジャンル:ノワール文学 スリラー ミステリー

 日本の誇る天才、東野圭吾の作品です。文庫本にして800ページを越える超大作。その才能を活かした特殊な描写法で、ミステリアスな空気と、濃密な暗闇をこちらに感じさせます。

 暗澹たる運命を共に歩む少年と少女。この作品で照らさせるのは、彼らの周りのみ。彼ら自身が照らされることはなく、私たちに見ることができるのは、影となった彼らの形のみとなります。彼らの内心は決して知ることができません。だからこそ、その2人にはかつてないほどの質量が伴います。外面描写しかされていない人物が、1番の主役となるのですから、不思議な話です。確定していないからこその深み、というものを改めて感じるきっかけになりました。


最後に、本との付き合い方について軽く語りたいと思います。先ず、家に本がない人、家に本を呼びましょう。本屋さんや図書館などに立ち寄って、気になった題名の本を適当に手に取り、なんとなく気に入ったらそれを買うか借りましょう。

家に本を呼び込んだら、どこでもいいので、毎日使う場所に置きましょう。本棚なんかに置いてはいけません。そんな本絶対読みません。机の上や枕元、買った本なら最悪トイレでもいいです。とにかく、毎日使う場所に置いておくことが大事です。

そうしていると、ふと、本が目に留まることがある筈です。その時に気が向いたら読みましょう。向かなかったらまた今度読みましょう。可能なら、2回に1回ぐらいは読んでくれると嬉しいですね。


世の中には読書=勉強とかいうマジでカスみたいな誤解があります。勉強は義務に堕ちましたが、読書も一緒にされるのは非常に心外。その自由さを保ち続けて欲しいものです。


長くなりましたが、以上で今週のそぞろ日記を終わります。お読み頂きありがとうございました。良い春休みを!Byナトリウム

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